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今年7月、シント・トロイデンに移籍した日本代表GKシュミット・ダニエルと入れ替わる形で、元ポーランド代表GKヤクブ・スウォビィクがベガルタ仙台に入団している。デビュー戦となった前節のセレッソ大阪戦では、身長190㎝の巨躯を自在に動かし、神がかったセービングを連発。ハイボールやキックなどの技術でも堅実さを見せた。10代からプロの試合出場を重ねてきたスウォビィクは、すでに老獪さを身につけている。

「日本人GKも、若いときから実戦を積むことで、もっと成長が望める。出場試合0で、上達はあり得ない。指導者には、その能力を見極め、ポジションを与えられるかどうかが求められる」

ヴィッセル神戸を率いたスペイン人監督フアン・マヌエル・リージョはそう言って、若く経験のないGK前川黛也を積極的に登用していた。鶏が先か、卵が先か。日本のゴールを長年にわたって守ってきた楢崎正剛、川口能活の2人は、若いときからチャンスを与えられている。

その一方、国際的に見て日本人GKの実力に懐疑的な見方も多い。欧州で足跡を残したのは、川島永嗣(ストラスブール)ひとりだけ、という現状がある。

「どこかの国のGKを帰化させられないのか?」

かつて日本代表を指揮したある外国人監督は、真剣に代表関係者に相談したという。それは極端な例だとしても、過去に代表を率いた外国人監督の多くは、日本人GKの総合力に満足していない。

日本人GKの実力と未来とは?

今シーズンのJリーグでは、冒頭に記したスウォビクだけでなく、身長190cmを超えるポーランド人カミンスキー(ジュビロ磐田)、オーストラリア人ランゲラック(名古屋グランパス)ののセービングも異彩を放っている。日本人GK以上に、止められないシュートを止め、チームを救い、勝機を引き寄せる。特別な存在だ。

他にJ1で際立っているのは、韓国人GKの存在だろう。

チョン・ソンリョン(川崎フロンターレ)、キム・ジンヒョン(セレッソ大阪)、ク・ソンユン(コンサドーレ札幌)、キム・スンギュ(ヴィッセル神戸→蔚山現代)、クォン・スンテ(鹿島アントラーズ)。横浜F・マリノスのパク・イルギュは日本生まれ、日本育ちの韓国人GKだ。

昨シーズンまであった「アジア枠」は、彼らの移籍を後押しした。しかし、彼らが定着して一大勢力を作った理由は、その実力によるものだ。

「同じ身長だと、(韓国人GKは)スピード、パワーで日本人GKより上かなと、正直に認めるところはありますね」

Jリーグ22シーズン目になるGK南雄太(横浜FC、39歳)は、そう説明している。南は18歳から柏レイソルのゴールを守り続け、昨シーズンはJ2横浜の守護神としてJ1昇格プレーオフを戦った。

「韓国人GKは、身長190cmオーバーでも俊敏に動けて、止められる。単純なパワーは日本人と違う。例えば、体勢が悪くて入っちゃいそうなシュートを、強引に掻き出せるというか......。同じ身長なら、彼らを使うことになるかもしれません。たとえば、チョン・ソンリョンは、醸し出す空気がどっしりし、信頼できる感じが伝わってきますね。一方で日本人の場合、180~185cmくらいだと俊敏に動ける選手が多いから、そういう選手はポジションを取っています」

ロシアW杯日本代表の川島永嗣、東口順昭(ガンバ大阪)、中村航輔(柏レイソル)も、大柄ではないが俊敏で、高いゴールキーピング力を誇る。

「でも、日本人でも最近はシュミット・ダニエルなどが出てきています。GKは大型化しているし、時代の流れを感じますよ。これからはどんどん変わるはずです。ユース年代のGKを見ると、親が国際結婚した子どもたちが増えていますしね。自分はこの時代に生まれてよかったですよ」

南はそう言って笑みを洩らしたが、当然、日本人GKとしての特性も肌で知っている。

「これは自分の場合ですが、サイズもなくて身体的に恵まれなかったからこそ、いろいろ考えてプレーするようになりました。たとえば、1ステップで届かないなら、2ステップ踏んで届くようにするとか。なにより、ディフェンスを動かせるか。届かないなら、コースを切らせて、一緒に守る。考えることで、埋められることもあります」

体格的な資質はつきまとう。「でかくて速い」のは、それだけで武器になる。しかしディテールを突き詰めることで、日本人GKの活路は広がるとも言える。

以下ソース先で

8/1(木) 6:37
webスポルティーバ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190801-00866930-sportiva-socc&p=1
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