1:
sssp://img.5ch.net/ico/morara_tya.gif
AIで本物そっくりの偽動画が簡単に作成できる懸念

人工知能(AI)への注目度が高まっています。AIがもたらす技術革新や経済効果に関心が寄せられる半面、悪用への懸念も増しています。
サイバーセキュリティー専門家、松原実穂子さんの報告です。【毎日新聞経済プレミア】

 AIが世界経済に与える波及効果は2030年までに13兆ドル(1405兆円)に及ぶと、国際コンサルティング企業のマッキンゼーは昨年時点で予測した。
世界の国内総生産(GDP)を毎年1.2%押し上げる効果が見込まれるという。

 だが、AI悪用への懸念も増している。その好例が、19年6月にオンラインに投稿された米フェイスブックの最高経営責任者(CEO)、マーク・ザッカーバーグ氏の偽動画である。

 同氏がビッグデータについて語っているように見える動画は、実はAIで作られた偽物だった。ザッカーバーグ氏が米フェイスブック本社で行った演説の動画をもとに、顔をコンピューターで作成し、俳優の声を組み合わせて作成された。
本物そっくりの偽動画をAIで簡単に作ることができるのだ。来年の米大統領選挙での悪用も心配されている。

 ◇経営者の声で「振込先が変更になった」

 サイバー攻撃でも、AIが使われるようになってきた。このことはイスラエルの国家サイバー局が今年7月にまとめた報告書でも警告されている。
国家サイバー局は、サイバーセキュリティー政策やサイバー防衛を担当している政府機関である。

 報告書はAIを活用した電話音声の偽装について取り上げている。例えばサイバー攻撃者は、標的にした企業の経営者の声をAIに20分間聞かせる。
AIはそっくり似せた偽の音声を作成し、その企業の財務担当者に電話をかけ、大量の送金を命じる。なんと、AIが財務担当者との会話もこなすというのだ。

 「ビジネスメール詐欺」と呼ばれる犯罪がある。経営者や取引先を装い、「振込先が急に変更になった」といった偽メールを企業の財務担当者に送りつけ、大金をだまし取るものだ。
世界中で被害が増大の一途をたどり、米連邦捜査局(FBI)によれば、米国内だけでも18年に35万1937件の被害が報告されている。

 ビジネスメールで企業から大金を盗む手法が、AIによって電話にも広がったというわけだ。
イスラエル国家サイバー局は、電話による詐欺が行われていることを財務担当者に告知し、急な振込先の変更など、何か指示された際の対応を見直すよう企業に促している。



https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190818-00000004-mai-bus_all

続きを読む